雇用保険に加入している企業であれば、平均300万円が国や自治体から支給される助成金。

返済不要のため収益と同等の効果があり、経営の持続安定化にも繋がる大事な経営戦略の一つとして活用されています。

一方で、助成金・補助金は年間7000種類以上が発表されているため把握するのが難しかったり、融資との違いがわからず「本当に返済不要?」と不安になりうまく活用出来ていない方も多いのではないでしょうか。ここでは、助成金の目的や仕組み、利用するメリットを解説します。

【助成金の目的は労働者の職業安定や企業の発展】

助成金は、厚生労働省や各自治体、財団法人などから支給される企業の事業支援に役立つお金です。
助成金のほとんどは厚生労働省が管轄しており、その目的は、失業の予防、雇用機会の増大、雇用状態の改正、労働者の能力開発等を図ることにあります。
具体的には、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを図る「キャリアアップ助成金」、中途採用の拡大を図る「中途採用等支援助成金」、企業や店舗の労働環境改善を促進する「業務改善助成金」などが挙げられます。雇用維持、新規雇用、人材育成といった助成が一般的ですが、労働環境を整えること(定年の延長・廃止や介護・育児休暇制度の充実、就業規則の変更等)への助成など、雇用に対する国全体の課題の実現に向けて取り組む事業者に対して一定額を助成する制度となっているので、要件を満たしている企業であれば受給が可能となります。
近年では、創業・起業で活用できるものや、コロナ対策として非対面やテレワーク導入向けのもの、業態転換で活用できるようなものなど社会情勢を反映した助成金も増えています。 

 【財源は?なぜ返済不要?】

助成金の財源はどこから拠出されているのでしょうか?
雇用関係の助成金は、ほぼ全ての企業に対して加入が義務付けられている雇用保険の一部が主な財源です。つまり、雇用保険に加入していれば、助成金の受給対象となるのです。
「きちんと法令を守り、従業員の労働環境の向上に積極的に取り組む事業に対する報奨金」と捉えていいでしょう。
新型コロナウィルスの影響もあり注目度が上がった助成金ですが、馴染みのない方だと「融資」との区別のつかない方も多くいらっしゃいます。
以前は、企業の一般的な資金調達といえば、金融機関や日本政策金融公庫からの借入のみだったためです。
助成金制度は、現在雇用保険料を納めている経営者の方も、これから起業して人を雇って雇用保険料を納める方も、自分が納めたお金が還付されるという意味合いなのです。
資金調達と併せて助成金・補助金を活用することで経営の持続安定化を図る企業が増えてきています。
国の2021年度予算編成に向けた各省庁の概算要求の総額は105兆円超えで過去最大となっています。
納めっぱなし損にならないためにも、もらえる時には遠慮なくもらっておく、それが助成金です。

【助成金受給のメリットは資金調達に限らない】

返済不要で資金調達が出来るメリットをお伝えしてきましたが、実は助成金受給のメリットは他にもあるのです。
助成金の財源は雇用保険であり、助成金を利用するには労働関係の法令違反がないことも条件になります。
つまり、助成金が利用できる会社は厚生労働省の認める労働環境の良い会社として、信用力を増すことができるのです。助成金を利用すると会社の信用にも繋がります。 

【最新情報を入手しておくことが大切】

雇用関係の助成金は、受給条件に該当すれば、高い確率でもらうことが出来るものです。しかし、社会情勢によって、内容や受給するための条件が変わることが多くあります。
また、随時更新されており申請期限付きの助成金も多いため、受給機会を逃さず助成金をもらうためには、最新情報を入手しておくことが非常に大切です。 

次回は7月7日(水)助成金の種類・活用例をお伝えします。