ニュースなどで目にする「有効求人倍率」。
求職者・企業にとって参考になる値ですが、正しく理解できているでしょうか?
今回はそんな有効求人倍率について解説します。

【有効求人倍率とは? 】
有効求人倍率とは、「求職者1人当たりにつき、何件の求人があるか」を表す指標で、
ハローワークの有効求職者数と有効求人数をもとに算出されています。
求人倍率には「新規求人倍率」と「有効求人倍率」があり、
新規求人倍率は「新規求人数÷新規求職申込件数」であり、有効求人倍率は「月間有効求人数÷月間有効求職者数」を指します。

【最新の数値と景気への影響】
2021年6月時点の有効求人倍率は、1.09倍です。
有効求人倍率は、2019年の12月以降下落を続け、現在は低迷状態にあります。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う市況の悪化を、顕著に示していることがわかります。
労働・転職市場の動きは景気とほぼ連動しているため、景気の状況を測る指標として重視されています。
一般的に、有効求人倍率が1倍を上回り「求職者よりも求人数が多い」状況を「売り手市場」、
1倍を下回り「求人数より求職者の方が多い」状況を「買い手市場」と呼びます。
景気が良くなると、企業が事業拡大などを目的として、人材を募集するようになるため有効求人倍率は高くなり、
景気が悪くなると、人件費を抑えるため企業が採用活動を控える一方、倒産や失業により転職市場に求職者が増えるため有効求人倍率は低くなります。
つまり有効求人倍率が高いほど人手不足であり、低いほど就職が難しいという目安になります。

【数値から見るメリット・デメリット】
有効求人倍率が高い状態では、求職者に対するメリットが大きく、「選択肢が広がる」「企業が提示する条件がより好条件となる」など、就職先を見つけやすい状況になります。
それに対し、企業は「応募者を確保しづらい」「求職者とのマッチングが難しくなる」「より良い条件を提示する必要がある」といった状況に置かれます。
一方、有効求人倍率が低ければ、企業が「求職者を集めやすい」「有利な条件で雇用しやすい」など、企業にとって有利な状況になります。
一方、求職者は「競争が激しくなる」「企業から提示される条件が好条件とは限らない」といった状況になりやすいです。

【今後の動向】
2009年のリーマンショックの際には企業の倒産が相次ぎ、有効求人倍率は1倍を下回りました。
その後、有効求人倍率が1倍を上回ったのは2013年で、景気が回復するまでに4年もの時間がかかりました。
コロナショックは、リーマンショック以上に不況が長引く可能性が高いといわれています。
リーマンショックはお金の流通が滞ることで、徐々に景気に影響を与えていましたが、
今回のコロナショックは、あらゆる業界へ一気に打撃をもたらしているためです。
経済へのダメージは、リーマンショック以上のものになることも予想されます。
様々な経済施策により、景気減退に歯止めがかかる可能性はありますが、有効求人倍率が右肩上がりに戻るまでは、数年かかると思われます。

次回は、7月5日(月)。「企業側から見る最新の採用動向」をお伝えします。