【コロナ禍2年目】2021年下期の採用はどう進んでいくのか。

求人関係

コロナ禍も2年目となり、引き続きニューノーマルな時代を過ごすことになる私たち。

2021年は、未経験者や新卒採用よりも、中途採用の拡大が続いています。業績悪化の影響により、教育に時間とコストを割く余裕がある企業が減り、即戦力が求められるようになるためです。魅力的な中途社員を採用するため、求職者の考え・市場の動向をみていきましょう。

【転職市場は売り手市場から買い手市場へ移行】

2021年(令和3年)5月の有効求人倍率は、1.09倍。前月の4月と同水準で、前年の5月を0.11ポイント下回りました(厚生労働省調べ)
また、5月の求人数は、前月比で微増。昨年5月から新型コロナウイルス感染拡大の影響により減少が見られたため、前年同月比では大幅に増加し、
2019年同月比では84.0%まで回復している状況です。要因として、新年度の募集が本格化したことにくわえ、一部企業では新型コロナウイルスのワクチン接種後の景気回復を見越しての採用活動が始まったことが考えられます。 

【今、求職者は何を求めているのか】

大手企業の早期退職者募集などを受け、大手=安定ではないとの実感があり、企業規模よりも事業の将来性やスキルの向上、ワークライフバランスの充実などを重視して求職活動をする人が増えています。そのため、その様な企業において人材を惹きつけるための大きな努力が必要となる一方、新型コロナウイルスの影響が少なかった企業は優位に立ち、より多くの転職希望者の中から選んで採用することができるようになると見られています。 
また、Withコロナ時代の新しい生活様式が求められる中で、リモートワークやフレックスタイム制などの柔軟な働き方が注目されるようになりました。
コロナ禍で在宅勤務・リモートワークを希望する求職者が急増。「家で仕事をしたい」と考える人が増えているようです。また、景気悪化による不安から「副業」として仕事を兼業することを希望する人も増えています。
労働環境の変化を受けて、より自分の価値観に合った仕事や職場探しを視野に入れて行動する人が増えるのではないかと思われます。 
さらに、「未経験」というキーワードも急上昇しています。コロナ禍を経験し、自身の業界・職種の将来に対する不安を抱き、まったく経験のない仕事に挑戦しようと考えている人が増えているようです。 

【あえて、未経験者を狙うのも手】

採用活動を行う企業側は、旅行関連・航空・宿泊施設・飲食業界などのサービス業界では採用活動を停止、または縮小している一方、企業の成長を止めないために、採用を継続する企業が増えています。更に「コロナ禍を優秀人材を採用しやすい好機」と捉え、経験者採用の需要が高まっています。
「新型コロナの影響で落ちた売上を再拡大するために即戦力となる経験者が欲しい」「リモートワーク導入でOJT が難しくなったので、教育の必用がない経験者が欲しい」などといった理由から、経験者採用に採用方針を転換する企業が増えているためです。
一方で、先述の通り未経験職種へチャレンジする求職者が増加しているため、「未経験優秀層」の競争率は低下しています。「未経験優秀層」とはコミュニケーション能力が高い人や、主体的に学ぶ意志が強い人など、職種に関わらず活かせる能力が高い人材を指します。活躍するのが必ずしも「経験者」とは限りません。経験者と未経験者、どちらを今採用するべきか、よく検討した上で採用活動を始めることが重要です。あえて未経験者を狙うことで活躍人材を採用するのも有効といえます。経験必須でない募集であれば、未経験者の採用も視野に入れることで採用成功の可能性が高まりそうです。 
今後ワクチンの供給が広まり、益々採用の急増や回復が起きると考えられます。採用が回復すれば、人材需要は2019年と同等、あるいはそれ以上のレベルに​回復し、活発な市場になると思われます。この状況下で採用活動を開始して応募が集まるか、心配する声も耳にしますが、魅力的な人材が市場に多くあふれているこの時期だからこそ、中途採用を積極的に行い、優秀な人材を確実に確保することが企業の生き残りの鍵となりそうです。 

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